リハビリテーションとは

リハビリテーション「rehabilitation」という言葉は、re-という「再び」を意味する接頭辞と、ラテン語のhabils(適した、ふさわしい)という言葉に、ation(~すること)という接尾語がくっついて出来たもので、失われた名誉の回復という意味を持っています。キリスト教が支配していた中世ヨーロッパでは、破門された者が破門を解かれて名誉を回復する場合に用いられていました。

リハビリテーションとは、機能障害者が身体的・精神的・社会的にもっとも適した機能水準を達成することを目的とした、目的志向的かつ時間を限定した過程を意味します。すなわち、それは彼らに自らの人生を変革する為の手段を提供することを目的とする過程です。これには、(例えば、補助具などの)機能の喪失や機能上の制約を補うための手段、並びに社会的適応・社会的再適応を可能にするための方策を含みます。

リハビリテーション医学とは、運動障害のある患者の「全人的復権」を目指し取り組む医学であり、例え完全に治らなくても「諦めない」、「しつこい」医学を意味します。

当院では入院患者様と外来患者様に対してリハビリテーションを提供させていただいております。 当院リハビリテーション科には理学療法士18名・作業療法士1名・言語聴覚士2名がおり、それぞれが専門性を発揮しながら治療を行っています。また、訪問リハビリテーション業務を現在3名でチームを組み、週4回病院兼務として行っています。

当院は、脳血管疾患の急性期リハビリや、整形外科では骨関節疾患を中心に、腱板損傷術後やACL再建術後などのリハビリを数多く経験することが出来ます。 日々の臨床を通して、職種に限らずチーム医療を実践しています。訪問リハビリも行っているので、退院後のフォロー体制も充実しています。患者様のニーズにこたえるべく他職種との連携を心がけて日々業務に励んでおります。
また、法人として回復期・慢性期の病院施設を有しているため、個々の能力・希望に沿った施設での臨床経験ができることが大きな特徴のひとつです。

診療内容

当院では急性期のリハビリテーションを展開し、患者様の早期離床・社会復帰を目指して治療を行います。
また、対象疾患も多く、幅広く関われるのも当院の特徴です。

施設基準

  • 運動器リハビリテーションⅠ
  • 脳血管リハビリテーションⅡ
  • 廃用症候群リハビリテーションⅡ
  • 呼吸器リハビリテーションⅠ
  • がんリハビリテーション

対象疾患

  • 整形外科疾患(人工関節、腱板再建、変性疾患、骨折 等)
  • 中枢神経系疾患(脳卒中、パーキンソン病、難病疾患 等)
  • 呼吸器疾患(肺炎、COPD、気管支炎、人工呼吸器管理 等)
  • 外科など手術
  • 摂食嚥下 

理学療法士(Physical Therapist:PT)

理学療法士とは

ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持および障害の悪化の予防を目的に、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

当院での対象疾患

  • 整形外科(人工関節、靭帯再建、腱板再建、変性疾患、骨折 等)
  • 中枢神経系(脳卒中、進行疾患、難病疾患 等)
  • 呼吸器系(COPD、肺炎、人工呼吸器管理疾患 等)
  • 外科(消化器疾患術後、がん など)

作業療法(Occupational Therapy:OT)

作業療法とは

生活するうえでの活動は皆「作業」と捉え、患者さんのその「作業」を支援していく仕事です。

主に脳血管疾患、パーキンソン病、肩関節から手指までの整形外科疾患などを主に担当します。その他にも、内科、外科など様々な患者さんと接する機会があります。

対象となる患者様

主に脳血管疾患、パーキンソン病、肩関節から手指までの整形外科疾患などを主に担当します。その他にも、内科、外科など様々な患者さんと接する機会があります。

訓練内容

関節可動域訓練、機能訓練、立位関連動作訓練、日常生活動作訓練(トイレ、更衣、入浴、整容、食事など)日常生活関連動作訓練(掃除、洗濯、買い物など)、高次脳機能訓練(記憶や注意機能、失行など)、福祉用具等の紹介、自助具作成等

写真は左から「羞恥心が強く、動作自立の希望が多いトイレの実地訓練」「高次脳機能の評価や訓練風景」「トイレ・浴室・廊下などの環境整備や自助具を紹介している様子」

当院の作業療法(OT)の特徴

急性期病院のOTはPTと同じようなことしかできない‥と思っていませんか?
しかし、脳血管疾患でも多少後遺症が残っても、急性期病院から自宅へ帰る方も多いのです。動作のポイント指導や家屋環境の調整は、病気になる前の生活にスムーズに戻れるポイントになりますが、OTが中心になって行っています。
急性期としてのリスク管理はもちろん、地域の病院としての役割をもっている当院は、急性期でありながら慢性疾患の終末期を当院で迎える方も担当することがあります。
つまり、急性期~療養病床のような介入まで、幅広くOT経験できる場が当院です!
OTだけでなく、リハ科、他科との人間関係も良く、向上心の強いスタッフが多いので、楽しく自己研鑽できると思います。

ここからはひとりごとですが、個人的に、音楽療法を取り入れられたらと思っています。
また、認知症の患者さんへのリハビリや対応の指導なども今後深めていきたいと思っています。
一緒に楽しく頑張ってくれる方、まずは病院見学にいらしてください!

言語聴覚士(Speech Therapist:ST)

当院では2名の言語聴覚士(Speech Therapist:ST)が、脳卒中・脳外傷等によりことばや飲み込みに問題が生じた成人の方を対象に必要な検査、訓練およびその他の援助を行ってます。

言語障害について

言語障害には主として「失語症」「ディサースリア」「全般的精神活動低下に伴うコミュニケーション障害」の3つがあります。これらの障害に対し個別訓練を実施し、評価・検査結果に基づきご本人及びご家族に言語症状についてご説明しています。

失語症

  • 脳の言語野に受けた損傷のために、ものの名前を正しく言えなかったり、相手の話を聞き間違えたりする状態
  • 知的に保たれてはいるが「話す」「聞く」「読む」「書く」「計算」の各機能に障害がある
  • 一言も話せない、意味のわからない言葉をぺらぺら話すなど、症状や重症度は様々であるが、一般に50音表を見せるとかえって混乱することが多い

ディサースリア

  • 口唇、舌、声帯などを動かす神経の障害により、口唇や舌が動かしにくくなり、発声の困難さや呂律が回らず発話が不明瞭になる等の問題を生じた状態
  • 「聞く」「読む」「書く」機能は保たれており、頷き/首振り、筆談等を介することでやりとりが可能

全般的精神活動低下に伴うコミュニケーション障害

  • 脳の広範囲に損傷を受けた場合や脳卒中を繰り返した場合に生じやすい
  • 会話をする意欲に欠け、問いかけても返答がなかったり、目を閉じてしまったり、笑顔がみられない状態。生活面でも意欲が低下している

摂食・嚥下機能の障害について

口から食物を飲み込む過程は、以下のような6段階に分かれています。

  1. 食物の認識(覚醒しており、食べようという意識がある)
  2. 口への取り込み(口唇を開いて食物を取り込んだら、口唇を閉じて保持する)
  3. 咀嚼と食塊形成(よく噛んで唾液と混ぜ、飲み込みやすい塊にする)
  4. 咽頭への送り込み(舌の運動によって食塊を口の奥まで送る)
  5. 咽頭通過、食道への送り込み(嚥下反射によって食塊が食道に送られる)
  6. 食道通過(食堂の蠕動運動によって食塊が胃へ運ばれる)

脳卒中等によって何らかの障害を受けると、上記のいずれかの段階に問題が生じます。これらの過程は外からの観察だけでは正確な情報が得られにくく、誤嚥(食物が誤って気管の方に入ってしまうこと)の有無も正確には確認することが困難です。当院では嚥下内視鏡検査も施行しており、食物を飲み込む様子を観察・評価し、その結果をもとに方針を立てることも行っています。姿勢・食物形態・嗜好など様々な問題点を医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士など多職種と連携を図りながら食べる喜びを取り戻せるよう訓練を行っています。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションとは、利用者様が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう自宅を訪問し、心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリテーションを行います。当院では戸塚区周辺を中心として活動しており、地域に根付いた活動をしております。
なお、訪問リハビリテーションのご希望がありましたら、皆様を担当されているケアマネージャーの方々にお問い合わせください。

対象の利用者様

通所が困難な人で症状が安定しており、リハビリテーションの必要性を医師に認められた人が利用します。

対象疾患

  • 脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)
  • 難病、神経疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)
  • 整形外科疾患(骨折後、変形性関節症など)
  • その他(医師に必要と認められたもの)

サービス提供地域

戸塚区を中心に活動しています。

訓練内容

ご自宅への訪問は車・自転車・徒歩など、訪問先の状況によって対応致します。
自立した生活動作を身につけられるよう、屋内・外で訓練を行います。

申し込み方法

戸塚共立訪問看護ステーションと連携を図って活動しております。
ご気軽にお問い合わせください。

医療法人 横浜未来ヘルスケアシステム 戸塚共立訪問看護ステーション

  • TEL:045-866-0121
  • FAX:045-864-8155

教育体制

リハビリ科内勉強会

当院では月1回で科内勉強会を行っています。自分自身興味を持った事例に対し知識を深めることで、科内全体のレベルアップを目指しています。

平成28年度

  • ごはんと構音(ST10年目)
  • 骨折と片麻痺に対する歩行分析(PT12年目)
  • 腰椎圧迫骨折により手術に至った症例について(PT2年目)
  • サルコペニアについて(PT2年目)
  • 認知症への関わり~ユマニチュード~(OT5年目)
  • 片麻痺患者様への短下肢装具処方について(PT7年目)
  • 急変時の対応について(PT4年目)
  • 肺炎に対する呼吸理学療法(PT6年目)

平成29年度

  • 終末期のリハビリテーション(OT6年目)
  • 脳卒中のリハビリテーション 理論と技術(PT2年目)
  • 上肢の触診 肘から末梢へ(OT3年目)
  • 足関節の機能解剖 背屈制限について(PT3年目)
  • 急性期脳卒中 理学療法について
    ~ガイドラインに基づいた理学療法の実践に向けて~(PT4年目)
  • 人工呼吸器の基礎(PT6年目)
  • 片麻痺歩容の改善に着目した5分訓練後の変化に対する1考察(PT13年目)
  • 高次機能障害とリハビリテーション(OT8年目)
  • 人工呼吸器モード設定について(PT9年目)

興味を持った事項などを自由に発表しています。当院の勉強会のモットーは、
“楽しく、わかりやすく”で、毎回和気あいあいと開催しています。

求人情報

詳細は、トップページ左上の「職員採用情報」に記載してあります。

新卒、キャリア(中途)に関わらず募集中です。

ご興味ある方は、病院見学にてご案内致します。下記までご連絡のほど、お願い致します。

  • Tel:045-864-2501(代表)

TMGリハビリテーション部

診療科一覧

交通・アクセス

病院名
医療法人 横浜未来ヘルスケアシステム 戸塚共立第1病院
住所
〒244-0003
神奈川県横浜市戸塚区戸塚町116
無料送迎バス運行中!
電話番号
045-864-2501
FAX番号
045-865-3086